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ピーマン栽培の「成り疲れ」を防ぐには?収量を落とさない土作りとバイオスティミュラント活用法

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いつもお世話になっております。

ファームテックの大田です。

冬になり、来年の作付け計画を考え始めるこの時期、多くのピーマン農家の皆様とお話しする中で、毎年繰り返される課題をよく耳にします。

「春先の生育は順調なのに、梅雨明け頃からどうも草勢が落ちてしまう…」

「夏の高温期を過ぎると、決まって成り疲れして収量が伸び悩む…」

着果が安定しない、思ったように玉が大きくならない、収穫期間の後半で失速してしまう——。

こうしたお悩みは、多くの生産者様が直面する共通の課題ではないでしょうか。

そこで今回は、来年の栽培で収益をもう一段階引き上げるため、私たち農業資材メーカーの視点から、ピーマン栽培における栽培管理の要点と、これからの時代にぜひ知っていただきたい「バイオスティミュラント」という資材の賢い使い方について、分かりやすくお話しさせていただきます。

この記事が、皆様の来年の栽培計画を立てる上でのヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。

なぜピーマンは環境の変化に弱いのか?

対策を考える前に、まずはピーマンの「気持ち」になって、その弱点を知っておくことが大切です。

  • 根っこがデリケート: ピーマンの根は、実はとても繊細です。特にジメジメした土が苦手で、長雨が続くとすぐに息苦しくなって根腐れを起こし、養分を吸う力がガクッと落ちてしまいます。
  • 人間と同じで「夏バテ」する: 暑い日が続くと、ピーマンも人間と同じでバテてしまいます。光合成で作るエネルギーよりも、暑さで消耗するエネルギーの方が大きくなってしまうんですね。これが、生育後半に失速する「成り疲れ」の大きな原因です。
  • 実をつけ、大きくする力が出ない: 暑すぎたり、水が足りなかったりすると、花が落ちやすくなります。なんとか実がついても、株全体にエネルギーがないので、どうしても小玉になりがちです。
  • カルシウム不足による「尻腐れ」: 根が弱ると、トマトでよく聞く「尻腐れ」と同じ症状がピーマンでも出やすくなります。これは、土にカルシウムがあっても、根がそれを吸い上げられなくなるために起こります。

こうした弱点を知っておけば、どこに手を打てば良いかが見えてきます。では、具体的な対策を見ていきましょう。

【栽培ステージ別】収益をグッと引き上げる管理のコツ

1. すべてはここから!「ピーマン栽培の土づくり」と元肥の考え方

ピーマン栽培は、畑の準備で8割が決まる、と言っても過言ではありません。元気な根っこを育てることが、何よりの安定収穫への近道です。

【対策のポイント】

  • フカフカの土を目指す: 良い堆肥をしっかり入れて、土をフカフカの団粒構造にしてあげましょう。こうすることで、雨が降っても水がスッと抜け、日照りが続いても適度に水分を保ってくれる、根にとって最高のベッドになります。
  • 土の「地力」を高める: 土壌分析は、畑の健康診断です。pHをピーマン好みの6.0〜6.5に合わせるのは基本ですが、もう一歩進んで、私たちがよくお勧めするのが「腐植酸」資材です。これは、土が肥料をガッチリ掴んでおく力(保肥力)を高めてくれます。いわば、土の「胃袋」を大きくしてあげるようなイメージですね。

2. 最初の勢いが肝心!「良い苗」の選び方と「植え付け」のコツ

どんな作物も、最初のスタートダッシュが肝心です。

【対策のポイント】

  • 良い苗」とは?: 節間がキュッと詰まっていて、葉が肉厚で、ポットから抜いた時に白い根がしっかり回っている苗。これが良い苗の印です。
  • 植え付けのストレスを軽くしてあげる: 植え付けは、苗にとって引っ越しのような大きなストレスです。この負担を軽くしてあげるために、私たちがよく提案するのが「アミノ酸」系の資材です。植え付け前にアミノ酸資材を水に溶かして苗に吸わせておくと、苗が「お弁当」を持っているような状態になります。これで、新しい畑に根を張るためのエネルギーが補給され、植え傷みが少なく、スムーズに成長を始めてくれます。

3. ここが腕の見せ所!栽培中期の管理「剪定・水やり・追肥」のポイント

定植後、株の様子を見ながら、いかに良い状態を長く保たせるか。ここが農家の皆様の腕の見せ所であり、私たちの資材が最もお役に立てる場面です。

【対策のポイント】

  • 株全体で光合成させる: 枝や葉が混み合ってくると、中の葉っぱに光が当たらなくなります。風通しも悪くなり、病気の原因にもなります。適切な整枝・剪定で、株全体がしっかり光を受けられるようにしてあげましょう。
  • 根っこを疲れさせない: 水やりは、ただやれば良いというものではありません。土の表面が乾いたらたっぷりやる、というメリハリが、根を元気に保つコツです。追肥の際には、肥料と一緒に「腐植酸」や「アミノ酸」を流してあげると、根が肥料を吸うのを助けてくれ、一石二鳥です。
  • 「夏バテ」対策は早めに!: 人間が夏バテ予防に栄養ドリンクを飲むように、ピーマンにも同じような考え方が有効です。特に暑さが厳しくなる時期に、「海藻エキス」などを葉面散布してあげるのがおすすめです。これに含まれる成分が、ピーマンの暑さに対する抵抗力を高め、夏場の収量低下を食い止める手助けをしてくれます。

【トラブル対策】よくある「病気」や「害虫」とその対策

どんなに気をつけていても、病気や虫は出てしまうものです。大切なのは、早期発見と、被害が広がる前に対処することです。

  • 注意すべき病気: うどんこ病、灰色かび病、疫病などが代表的です。特に、株が混み合って風通しが悪くなると発生しやすくなります。日々の観察で怪しい葉を見つけたら、早めに摘み取って畑の外に持ち出すことが基本です。
  • 主な害虫: アブラムシ、コナジラミ、アザミウマ、ハダニなどは、あっという間に増えてしまいます。キラキラ光るシルバーマルチを敷いたり、黄色い粘着シートを設置したりする物理的な対策も有効です。
  • 対策の考え方: 農薬を使うのはもちろんですが、それだけに頼るのではなく、まずは風通しを良くする、畑を清潔に保つといった「病気や虫が住みにくい環境や体力」を作ることが何よりの予防になります。

【深掘り解説】最近よく聞く「バイオスティミュラント」って、結局なんなの?

ここからは、最近よく名前を聞くようになった「バイオスティミュラント」について、私たち農業資材メーカーの視点から簡単にご説明します。難しく考える必要はありません。

肥料や農薬と、どう違うの?

  • 肥料: 植物のご飯です。体を大きくします。
  • 農薬: 病気や虫をやっつけるお薬です。
  • バイオスティミュラント: 人間で言うところの「サプリメント」や「漢方薬」です。病気を直接治すわけではないけれど、植物が本来持っている力を引き出して、夏バテや病気に負けない、健康な体作りをサポートします。

暑さや長雨のような、農薬ではどうにもならない天候不順に立ち向かうために、植物自身の「基礎体力」や「自己防衛力」を高めてあげよう、という考え方が、今とても重要になっているんです。

じゃあ、うちの畑にはどれを使えばいいの?

「いろいろあって、どれを使えばいいか分からない」という声をよく聞きます。大切なのは、「何に困っているか」で選ぶことです。

  • お悩み → 「うちの畑は水はけが悪くて、雨が続くとどうも調子が悪い」
    • おすすめのタイプ: 腐植酸系の資材
    • 理由: 土をフカフカにして、根本的な土壌環境を良くしてくれます。土づくりの時に混ぜ込むのが一番効果的です。
  • お悩み → 「毎年、植えてからの育ちが遅いんだよな」
    • おすすめのタイプ: アミノ酸系の資材
    • 理由: 根を出すのを助けて、植え付けのストレスを軽くしてくれます。植え付け前の苗にかけるのが定番の使い方です。
  • お悩み → 「夏になると、決まって勢いが落ちてくる」
    • おすすめのタイプ: 海藻エキス系やアミノ酸系の資材
    • 理由: まさに「栄養ドリンク」です。株が疲れてきたな、と感じる時期に葉面散布で与えて、活力をチャージしてあげましょう。

一番大事な使い方!3つのポイント

  1. 「調子が悪くなる前」に使うのが鉄則!
    これが一番大事です。バイオスティミュラントは「治療薬」ではなく「予防薬」です。天気予報を見て「これから暑くなるぞ」「長雨が続きそうだ」というタイミングで使うのが、最も効果的です。
  2. 「決められた量」をきちんと守る
    「たくさんやれば効くだろう」は禁物です。必ず、製品に書かれている使用量を守ってください。
  3. 日々の管理があってこそ
    これは魔法の薬ではありません。皆様が毎日行っている、丁寧な水やりや剪定といった基本作業があって初めて、その効果がプラスアルファとして発揮されます。

最後に

これからのピーマン栽培は、ただ一つの技術に頼るのではなく、総合力で勝負する時代です。

  1. 基本を大事に: まずは、丁寧な土づくりや日々の管理がすべての土台です。
  2. 土壌環境を整える: 腐植酸などをうまく使い、根がのびのびと育つ環境を作りましょう。
  3. 植物の力を引き出す: そして、新しい武器としてバイオスティミュラントを活用し、天候不順に負けない株を作りましょう。

気候は年々厳しくなりますが、新しい知識や資材をうまく取り入れることで、乗り越える道は必ずあります。

本記事が、皆様のピーマン栽培のヒントになり、来年の収益向上に少しでも繋がれば幸いです。

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この記事を書いた人

【プロフィール】

・出身: 1963年 大分県生まれ
・学歴: 国学院大学 卒業

【職務経歴】

・1987年: 株式会社日本実業出版社 入社
・1998年:西日本産業(株)にて主に九州管内で農業資材の開発、営業を担当。
・2009年: フリーの農業記者として食や農に関するイベント、放送番組等の
企画制作に携わる。
・2021年: ファームテック株式会社 代表取締役 就任

【主な役職・活動】

・2010年: 食農コンソーシアム大分(大分県内の若手農業者団体)代表
・2021年:大分県立久住高原農業高等学校 学校評議委員、マイスターハイスクールCEO

【研究・セミナー実績】

・共同研究:ユズ果皮が持つ抗アレルギー能と隔年結果の改善(2009年:大分大学)

・セミナー講師:

「農で生きる・農で生かす」(2012年:大分大学)
「昨今の農業ブームについて考える」(2014年:大分県農商工連携センター)

【メディア事業】

・ラジオ: OBSラジオ「甲斐蓉子の教えて!農業」(2009年7月~)
・テレビ: OBSテレビ「Hadge Padge TV」(2021年4月~)

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